千葉大学環境健康フィールド科学センター
「健康に生きる」
心と体を癒す実践の場
千葉県柏市柏の葉6-2-1
JR柏駅西口からバス約20分
フィールド事務係:04-7134-8401
URL:http://www.h.chiba-u.ac.jp/center/
千葉大学環境健康フィールド科学センターへの行き方
JR柏駅西口ステーションモール前2番乗り場から 東武バス「国立がんセンター行き」「柏の葉公園行き」  乗車約20分(260円) 「柏西高校前」で下車 道路の向かい側に渡る。
まるで別荘地の中に入っていくような歩行者、自転車専用入り口。 売店もあるので、その時期のお奨め生産物の表示も。             自動車の場合は、こちらの正門から。
(現在工事中)
千葉大学環境健康フィールド科学センターは、平成15年4月に開設された新しい研究施設だ。 16.7haの敷地には、手入れの行き届いた緑が溢れ、果樹のよい香りがし、とんぼや蝶が舞い、 蝉時雨をバックに鶯がのんびりと鳴く。本当に気持ちがいい!まるで、どこかの高原に来た ようなリラックス感。

それこそまさに、千葉大学環境健康フィールド科学センターの研究のひとつなのだ。

20世紀は都市に物質的な豊かさをもたらした反面、ストレス、食の不安、高齢化社会、環境 問題等様々なひずみをも顕在化させた。『もはや既存の学問領域から個別にアプローチする のではそのひずみを解決することができない』という考えの下、人間と環境植物・生産植物 との共生を基盤としながら、医学、薬学、教育学、環境デザイン工学、園芸学、植物工学等 々の様々な分野を融合発展させて『環境健康フィールド科学』が創成された。
柏にいることを忘れてしまいそうなセンター内部。 たわわに実ったぶどう棚。中はひんやり気持ちがよい。毎晩同じハクビシンがブドウを盗みに 来ては、決まった場所で食べていた...そんなことも足跡から分かるそうだ。困ったことだが、ちょっと宮沢賢 治の世界のようなお話。
副センター長でもある農学博士安藤敏夫教授は、“園芸の持つ癒しの効果”を実体験として目 のあたりにしてきたという。「ゴルフ接待なんていうのも、ある種その効果を利用しているの ではないですか?(笑)」
「植物は、それがあるだけで季節感、開放感を与えてくれる。またゆっくり育つので、一日中 付きっきりの必要は無いものの、毎日少しづつ面倒を見なければならない。さらに、園芸の作 業は女性や高齢の方でも出来る軽作業が中心。苗の植え付け、収穫、袋詰めなど、癒される園 芸作業をリハビリに組み込むことで、辛いリハビリも楽しく、意欲の湧くものに出来るはず。」 と安藤先生は話す。
『園芸学』を人間の健康に積極的に生かしてみたい、『人間の専門家』と一緒にやってみたい という長年の思いが叶ったセンターの設立。まさに時代が要請する研究が今、始まっている。
見事なクリ畑。 生き生きと育つバラの花。 ブドウ棚はスタッフや学生さん一押しの癒しスポット。
     
夏休み中でも、交代でお手入れに 園芸技術の開発に機械化は不可欠 機械で種を蒔く研究も
     
この小さな枠の中に機械で種を蒔くことが出来る。 まるで工場のような栽培風景。
教育機関として、このような高度な園芸機械を持っているのは、世界でもこちらだけとのこと。
     
トウモロコシ畑の向こう側には東京大学柏キャンパスが。柏の市街地からも程近い距離にある当センターは、 都市環境園芸学としてまさにふさわしい立地条件となっている。
当センターのもうひとつの大きな柱『千葉大学柏の葉診療所』。東洋医学を中心とした診療を実践すべく平 成16年6月にオープンした。心身一如の思想に基づき全人身医療を目指す。スタッフの方々の対応からもそ の優しい心配りが感じられる。初診は電話予約が出来るが、オープン以来 予約が殺到、やむを得ず予約ストップすることもしばしばなので、受診希望の方はご注意を。
山の診療所を想わせる外観。診療所入り口にも花が溢れている。明るく気持ちの良い内部の様子。
漢方薬がずらりと並ぶ薬局。待合室にも漢方薬の原料を展示。 『未病相談室』:薬食同源、主に生活習慣の 食事療法を実際に作って習うことが出来る。 園芸療法室も用意されている。
「センターの敷地内は自由に歩いて下さって結構です。診察に来たんだけど、緑の中、 いい空気を吸って、果物や花の香りをかぎ、季節を感じて散歩していたら、何だか具 合が良くなっちゃった・・・というのが理想なんです。」と語る安藤先生。先生を始 めフィールドセンター内でお会いした方々の開かれた明るい笑顔の温かさ。それが何 よりもその効用を物語っているだろう。
センターで取れた農産物を売る売店。新鮮、安心、安い!とファンも多い。 一番人気は果物とのこと。 生産物の種類は豊富だ。営業時間は平日の午後1時〜4時だが、開店10〜15分でほぼ完売。あっという間に 売れてしまった!確実にお求めになりたい方は、お早めに。
花の苗もなかなか好評とのこと。  学生手作りのジャム。おいしい! その他、授業の一環として作られた味噌などの加工品も販売されている。 お客さんに気さくに話しかける安藤先生。 そんな生の声も研究に生かされるのだろう。