11月25日、柏駅東口ハウディモールにキャンバスの列が立ち並んだ。「アートラインかしわ2007」の一大イベント
「ライブペインティング2007 30vs30」がいよいよスタートしたのである。
昨年開催された「ART LINE Kasiwa 2006」では、柏駅東口ダブルデッキにおいて、東京藝術大学の学生8人が
900号の巨大キャンバスに挑み、また一般公募により集まった30人が30号のキャンバスに自由に絵を描くアートイベントが
開催され話題を呼んだ。そして今年は場所を移し、ハウディモールにて第二弾のアートイベントが開催されることになった。
今回キャンバスに向うのは、「ドッペルナンチャラ倉庫」のメンバーを中心に集まった38名。
「ドッペルナンチャラ倉庫」とは、柏駅東口から徒歩10分の場所にある多目的スペース「monaizo(モナイゾ)」において定期的に
絵画と音楽を融合させたライブペインティング活動をしているアーティストたちのことである。
「ライブペインティング2007 30vs30」でもミニステージが設けられ、2005年に結成されたジャズバンド「re MONAIZATION」
のパワフルな演奏が流れる中、アーティストたちが白いキャンバスに思い思いの絵を描いていく。
アーティストの一人、柏市出身の福永明子さんは、週末に二番街のいしどビル前で「似顔絵コーナー」のテナントを出店している。福永さんの
キャンバスには一輪の黄色いガーベラが咲いていた。淡い光を放っているかのように描かれたその花には、万物の幸せと平和への願いが込められて
いるそうだ。
青い渦の中から「目」が出現している絵を描いたナガシマコウイチロウさん。絵を観ている側が、“観られている”ような気分になる不思議な絵に
思わず引き寄せられる。ナガシマさんは「僕自身も楽しみながら描いてるんですよ。」と笑顔で話してくださった。
その他、音楽に合わせて身体を揺らしながらアクティブに描く男性、着物姿で絵筆を走らせる女性、共同制作する父娘など、様々な
アーティストたちが描く作品は、どれも独創的で斬新。
街行く人たちも足を止め、絵と音楽のコラボレーションを楽しんでいた。作品を一つ一つじっくり眺めていく人も多い。「わー、すごい!私は
この絵が好き!」と歓声を上げた女子高生や、「道路の真ん中で絵を描くのは、初めて見たわー。」と驚いた表情の女性などもいた。
私たちが普段美術館などで目にするのは「完成された作品」が大半だが、このイベントでは、作品制作の“過程”も目の当たりに出来る。
時間の経過と共に、線が描かれ、色が重ねられていく様子を眺めていると、自分自身も絵筆を握ってキャンバスに向っているようなワクワクした
気持ちになり、まさに“芸術の秋”を体感できた1日だった。
「アートラインかしわ2007」のHP
http://www.kashiwa-art.com/