「発明の日(=4月18日)」を含む「科学技術週間」に合わせて、4月14日から18日までの5日間、
「東葛テクノプラザ」において一般公開が行われた。
「東葛テクノプラザ」は、1998(平成10)年に柏の葉にオープンした県立の産業支援機関で、
産・学・官と連携しながら新産業創出のためのインキュベータ事業などを行っている。
職員の方の案内により施設を見学させていただいたが、まず、ガラス張りの近代的な外観・光の差し込む開放的で明るい内装が目を引いた。
東葛テクノプラザは「2000年日本建築学会作品選奨」にも選ばれたそうだ。
1階には多目的ホール(209席)があり、使用料が割安のため入居企業のみならず外部の企業・大学なども講演会・
研修会に利用することがあるとのこと。また、2階には大小様々な会議室が数室設けられており、
用途に応じて異なったタイプの会議室を利用することができる。
1〜2階には、「電波暗室」をはじめとした100種類もの試験・分析機器が設置されている。
更に、技術相談・依頼試験を行うなど、研究開発の支援体制も整っている。
3階〜6階は貸し研究室のフロアとなっているが、3階には卒業企業と入居企業の交流・情報交換・連携を図る
「企業交流オフィス」も開設されている。入って左側に卒業企業の紹介パネルと開発した製品、
右側に現在入居中の企業の紹介パネルが展示されていた。
卒業企業のうち、(株)坂口技研は東葛テクノプラザに入居していた2001年に東京大学物性研究所とCOセンサーの共同研究を開始した。
その後商品化した「高濃度CO測定器」は、2006年に「千葉県ものづくり認定製品」の第1号として認定を受けている。
同じく、企業交流オフィスでは、卒業企業の(株)メカの「スロープ式電気自動フライヤー」の展示も目を引いたが、
同社は現在千葉県白井市にて「廃油ゼロを目指す食用油精製機」など高性能で環境にも優しい厨房機器の開発に取り組んでいる。
5階には県内の理工系大学の協力により技術相談・指導に応じる「大学研究交流オフィス」が設けられ、企業と大学を繋ぐ役割を果たしている。
こうした企業・大学間の活発な交流・情報交換の中から、更に新たな“モノづくり”への着想が得られることもあるのだろう。
柏の葉は、つくばエクスプレスが開通して秋葉原〜つくば間の往来も便利になったことから柏の葉キャンパス駅を中心に
急速に開発が進んでいる地区である。
また、東京大学・千葉大学など学術研究機関や国の研究機関が集積しているのも
この地区の特色である。東葛テクノプラザは、そうした柏の葉の立地を生かして、専門的知識・高度な技術力・経営術を組み合わせた
21世紀の新しい“モノづくり”の拠点と言えるのではないだろうか。
◆「東葛テクノプラザ」HP →
http://www.ttp.or.jp/