梅雨の晴れ間に、柏でマンウォッチング!

        2002年 6月 某日 柏東口

 この度、柏倶楽部のコラムを書かせていただくお話が舞い込みまして、素敵なコラムが書きたいな!とつい気負ってしまい、逆に頭が真っ白の今日この頃。どんなことを書こうかなぁ?柏の流行?ファッション?音楽?現代若者事情?むむむむ。難しい。

 「悩んでいるより、まず実行!」と、梅雨の晴れ間に柏の街に行ってみた。それも、 CMのサッカー選手よろしく首からはデジカメ!(100円SHOPで見つけたストラップ付けて)格好良い人見たらすぐに撮っちゃおうなんて安易な考え。「おっ!イカしたナイキのシューズ!」しかし、モタモタと、シャッターチャンスを狙っているうちに彼は人込みに消えてしまった。腰を落ち着けて策を練ろう。

 いつもなら、喫煙所の近くで缶コーヒーに地ベタリアンの私。本日はいつも敬遠していた流行りのコーヒーショップのテラスに陣取る事にした。しかも、ここに入るのは初体験!そう、何故か照れが有るのだ。ヘビースモカーの私はまず、お店が禁煙か喫煙OKかチェックする。ここは店内禁煙テラスOK。なんで?大分前、サンフランシスコに行った時も浮かんだ疑問。パブリックは禁煙でも外はOK。大気は?(内がプライベートで外がパブリックじゃないのぉ〜?申し訳ない!話が横道にそれました。)

       

 レジでアイスコーヒーを頼んで、「灰皿はどこですか?」なんて聞いてしまった。「喫煙席は外だけなんですが、すぐお持ちします。」一路テラスへ。きちんと洗った灰皿が各テーブルに伏せてある。横の席には割腹の良い外国人の叔父様が英字新聞とカフェラテでくつろいでいる。う〜んオシャレ。これが気恥ずかしいのよ。さっきのレジのお姉さんが灰皿を持ってきてくれた。「ごめんなさい、ちゃんと有りました。」(汗)「ごゆっくりどうぞ」心優しきお姉さんだ。マニュアルかなぁ?

 そんなことより「良し体勢は整ったぞ!さあ!マンウォッチングを始めよう!柏のオシャレさん達をパチパチ撮るのよ!怒られたら学校の課題と言おう(無理が有るかな?)」実はマンウォッチングが大好きな私。美術学生時代や、最近はとんと御無沙汰だが、旅行先では日がな一日人々を観察していた。その頃の柏はこんなにもオシャレでは無かったし、旅の恥はかき捨てとカメラかまえるのなんて全然平気なんだけど、地元だと照れが出る。それに、平日の午前中。チラシをくばったり、仕事中らしく足早に通り過ぎて行く人が多い。あとは、お買い物の奥様やお嬢様。

 おっ!昔懐かしいSID VICIOUSのT-シャツを着たイカした少女を発見(ストブレも近いからなぁ)。しかしカメラに手がのびるのが遅〜い。そして、しばし私の思考は追憶の彼方へ。

   ←Sid Vicious Rock'n'roll Star より おばさんにもこんな時代がありました。→ 
  

 私がバンドをやっていた若かりし頃柏は通るだけの駅だった。上野さくらさんのコラムに柏で反応を見て渋谷でデビューのギャルの話があったけど、私の頃は逆に柏は足早に通り過ぎて渋谷や原宿に直行しないと何を言われるか分らなかった。真面目な話でパンクファッションに身を包みベース抱えて歩いていたら、小学生に「非国民!」と囃し立てられた事があった。その時の小学生の真意は今も謎だが、学校かテレビかで覚えたての言葉だったのだろうか?バンド=不良の時代だったなぁ。(申し訳ない!再度、話が横道にそれました。)

菖蒲   紫陽花   がく紫陽花   ハイビスカス

 そんなこんなで、「今回は失敗か!?何ごとも初回から上手く行くはずがない。初回から満点だったら今頃大作家じゃ〜!」と自分を励ましていたら、初老の御夫婦が近寄っていらした。

 「お父さん、ここに座りなさいよ。」お父さんは促されるまま、私のテーブルの空いてる席に「どっこいしょ」と腰をおろされた。しばし沈黙。「柏は疲れるね〜、あれ?ここはコーヒー飲む所かな?」お母さんは気付いてしまった。「大丈夫ですよ、私がコーヒー飲んでるし、お母さんもお座りなりますか?」荷物を載せていた椅子を空にしようとしながら、つい口から飛び出した言葉に自分でもビックリ。「い〜え、いいの私は。この人は足が悪いから。買い物は疲れるねぇ。」ここが、コーヒーショップのテラスである事に気付いてしまった御夫婦は、今やバツが悪そうにそわそわ状態。「もう足治った。」

 御夫婦はちょっと照れたようなでも、爽やかな笑顔と共に去っていかれました。さて、私も猫と仕事の待っている現実の世界に帰ろう。帰り道、思わずオシャレさんの代わりにカメラに納まった花々。君たちこそ本当のオシャレさんだったりして。