夜の柏で、若者ハント？！
by＝上野さくら
１１月の某木曜日午後９時、柏駅東口の時計塔の下で、とある男性と待ち合わせた。こんな時間に子供たちを置いて家を抜け出し、男の人と二人きり。「いけないわン・・・」などと言ってよろけてみた〜い！ が、何のことはない。柏のまちづくりボランティアグループ・ストリートブレイカーズ（＝ストブレ）のお手伝いに参上、夜の柏で演奏する若者たちにチラシを配って歩いたのだった。
１０月１５日、柏駅ダブルデッキで開催したストリートミュージシャンの祭典「ストリートブレイク２０００かしわ」。その余韻もさめやらぬまま、仕掛け人たちは新たな企画を打ち上げ、来月イベントを開催しようとしている。
題して「ストリートパフォーマーのつどい」。近隣各地から演奏しにやってくる若者たちに、グループ同士の情報交換の場を提供し、迎える側＝柏市民の声も聞いてもらおうと企画されたものだ。１１月中旬の１週間、ストブレのメンバーが交代に夜の柏に出て、若者たちに参加を呼びかけた。
雨上がりのこの日、駅周辺には数組のパフォーマーたちが思い思いの場所でダンスや演奏を楽しんでいた。「やあ、どうも、どうも！」待ち合わせたUさんは、元気、元気。やる気満々といった感じで、少々気後れする。
正直言って、爆発寸前の金髪の男の子たちや派手なパンダメークの女の子たちに、いきなり声をかけるのはつらい。「なぁに、このおばさん？！」なんて言われて無視されたり、「うっせえなぁ！」と、くってかかられたりしたら、どうしよう・・・。いつもはかなり強気のおばさんモードで押してく私だけど、今夜は何故か、妙にしおらしい。
そんな私を後目に、Uさんはどんどん突き進み、片っ端から声をかけていく。パンフレット片手に、実にハキハキと明るい口調で開催の趣旨を伝えていく。さすが、この道？年のベテランである。私は、ただただ後について歩き、メンバーにパンフレットを手渡すだけで精一杯だ。
この日出会ったのは、８組のグループ。その表情は、意外なほどまじめで純情。そして、想像以上に礼儀正しい！ どのグループも気持ちのいい笑顔で応えてくれ、さっきまであんなに緊張していた自分はなんだったの？ っていう感じ。知らず知らずのうちに、彼らを色眼鏡で見ていた自分がちょっぴり恥ずかった。
一方で、グループによってはこちらに対して警戒心をのぞかせることも・・・。そりゃー、そうだよね。目の前に、いきなりわけの分からぬおじさんとおばさんが立ちはだかり、にこやかにイベントの勧誘を始めるんだもの。「な、何者？？？」と首を傾げたくなるのも、無理ないよなぁ。しゃべりまくる私たちの姿に唖然とし、固まっちゃった女の子も・・・。それで
も、みんなきちんと話を聞いてくれ、さっそく参加欄に連絡先を記入してくれるグループも多く、なんだかとってもうれしかった。
ストブレのUさん曰く、「若い人たちが夢や希望を持って活動しているのなら、温かく見守ってあげよう、というのがストブレのコンセプト。演奏時間や場所、音量やゴミの後始末など、問題はいろいろあるけれど、“だめだから排除する”んじゃなくて、会話し、互いに理解し合って、解決していきたいよね」。
ちまたでは「まちづくり」って言葉が流行し、各地でイベントやシンポジウムが盛んに開かれているけれど、大切なのはいかに具体的に行動し、継続していくかということ。机上の壮大なプランよりも、足で稼いだ生の情報を活用し、まちをよくしていきたいと願う市民の熱い思いを積み重なていくことが大事なんだと、この日改めて感じた。
「ストリートパフォーマーのつどい」は、１２月１２日（火）午後６時３０分から午後９時３０分まで、アミュゼ柏で。入場無料。当日は、柏駅周辺で活動する２０数組がステージに上がり、それぞれ自慢のダンスや演奏を披露してくれる。もちろん、見るだけのお客さんも大歓迎。興味のある人は、是非是非、参加してくださいませ！
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