2002.12.16 


<庭野すみれの なんでもウオッチング>
  <第1回かしわ川柳大賞>は 誰の手に?      

(記)庭野すみれ


挨拶をする石戸実行委員長

 関東地方は、9日未明から思わぬ銀世界にみまわれ、季節の回り舞台は秋からとつぜん冬の場面に切り替わりました。 今年は小柴さんと、田中耕一さんのノーベル賞受賞という、うれしいニュースもありましたが、偽装牛肉、拉致、テロ、報復、核、 などという不穏なニュースがあとを絶ちませんでした。

 そこで、師走のひととき重苦しい空気をパッと吹き払っていただこうと、柏インフォメーションセンター開設一周年を 記念して行われた「かしわ川柳大賞」の授賞式と、受賞句を紹介します。選者は柏市インフォメーションセンター協会会

司会の藤田事務局長

 長の石戸新一郎氏と、東葛川柳会代表の江畑哲男先生。授賞式は12月8日、当センター事務局長の藤田とし子さんの司会で、 なごやかに行われました。

応募作品は小学生から80代まで、総数617句が、東京、茨城、埼玉、遠くは鳥取からも寄せられ、主催者を感激させました。 受賞作品の35句は次の通り。じっくりご鑑賞下さい。





大賞
( 提供 かしわインフォメーションセンター )
柏発のおしゃれ母娘で競い合い 松戸市 船本庸子
いしど賞
( 提供 いしど画材 )
バーゲンセールないのに急ぐお母さん   柏市 小野翔也(11歳)
堂々賞 
( 提供 イップ一ドー )
日の丸の出むかえうける新柏  柏市  岩崎敬子(11歳)
下総の空青く澄むクレヨン画  松戸市 佐藤きぬ子
デパ地下でいつしか試食の顔となり 柏市 白川弘恵
市柏に学べばそろうハーモニー 柏市 高林美樹
いやし賞
( 提供 NTT東日本柏営業支店 )
手賀沼の犬も手を貸す散歩道  柏市 大蔵隆史
雑踏で電話の声とすれ違う 我孫子市 小菅忠
ふるさとは柏と言える街づくり 柏市 松浦千香子(10歳)
ふれあいのまちづくり賞
( 提供(社)柏市社会福祉協議会)
カタクリの花へワイワイ友が来る 柏市   大西豊子
雨の日はダブルデッキの下で逢い 松戸市  松岡満三
きらきら賞
( 提供 柏市立幼稚園協会 )
通学路どんぐり博士に虫博士 柏市 平松あい(11歳)
クレスト賞
( 提供 ザ・クレストホテル )
おいしいねだって柏のねぎだもの 柏市   中野マサ子
コメ・スタで逢いま賞
( 提供 レストラン コメスタ・ドーム )
日本一ビルの谷間のかぶ畑  柏市 小熊里加子(10歳)
新線へ夢の一番切符買う 流山市  中澤巌
デパートと居酒屋はしごする柏  流山市 中沢広子
サンガーデン賞
( 提供 ホテルサンガーデン柏 )
仮住まいの筈が柏に根をおろし 柏市 正樹
樹杏ですてきなティータイムを賞
( 提供 西洋菓子処・樹杏 )
利根川を渡るとなつかしい匂い 米子市   門脇かずお
蛍の里やっぱりここに甘い水 柏市 濱川ひでこ
湧水の前でコーヒー談義する 柏市  山村次男
そごうにGO!GO!賞
( 提供 そごう柏店 )
好きな人仕掛け時計と待っている 松戸市 松尾タケコ
食欲の秋で賞
( 提供 トラットリーア イタリアーノ )
エキサイトビジョンで踊る彼が好き 我孫子市 真治
橋下のフナも浮かれる夏祭  柏市 深野博
 二千円取らぬがタバコ落ちてない 松戸市 古川茂枝
はなしんでアートフラワーな生活を賞
(フラワーサロン はなしん)
プチ渋谷ルーズに茶髪闊歩する 柏市 井出直子
 若者の主張聞いてるコンコース 柏市 田辺サヨ子
ファミリで楽しい食卓を賞
( 提供 ファミリかしわ )
 街路樹も自分の心もやがて春 松戸市 堤孝彦(18歳)
柏市に近づいてきたクリスマス 柏市 中川真稀人(11歳)
トレビアンde賞
( 提供 ホーリーツァーズ )
ファッションよりモデル気になるかしわコレクション  柏市 川瀬紘文
アッシもこのまちが好きで賞
( 提供 ホンダプリモ泉屋 )
 試合の日黄色にそまるスタジアム   柏市  黒川拓磨(10歳)
夢を見る若者達の靴いろいろ  白井市 佐野宏樹(10歳)
雑踏の歓喜は避ける不況風  柏市 真砂
ユーモア賞
(提供 望月典子トータルビューティースクール)
カタクリの里で可愛い幸に酔い 柏市 穴澤良子
人恋しくてダブルデッキに佇ってみる 流山市 辻やよい
谷沢みみ太郎賞
 ( 提供 谷沢電気商会 )
その時はガンセンターの世話になる  松戸市 笹島一江
 
 

<大賞>に輝いた船本庸子さん

 

石戸協会長は「地元に誇りと愛着を持ってくれる人が一人でもふえれば、こんなうれしいことはない」。 江畑先生は「川柳をまちおこしに使っていただいて感謝します。みなそれぞれ「まち」への思いや愛があふれていて、 楽しく選をしました。川柳のよさは、思いを共有できること。細かい心のひだを表現できる豊かな日本語を、これからも 大切にしてゆきたい」と、それぞれ挨拶。

受賞者のなかに、小学生や高校生が混じっているのが頼もしかった。県立高校の先生でもあり、ジュニア川柳にも 力をそそぐ江畑先生は、

<いしど賞>を受賞する小野翔也くん

小学校5年生の小野翔也君に、「このまま川柳を続けると、将来は柏市在住の今川乱魚さん (全日本川柳協会理事長)を越えるかもしれないよ」などと、賞賛。

大賞に輝いた船本さんは、川柳歴10年のベテラン。「街を歩いていると、どちらがお母さんかしらと思うような素敵な 母娘に出会うことがあり、柏のストリートコレクションのこともあって詠んでみました」とのこと。 「都会的で、2002年のキーワードともいえる<家族の風景>が見えてくるいい句」というのが江畑評。

<樹杏ですてきなティータイムを賞>の濱川ひでこさん

すみれの好きな句は、濱川ひでこさんの<蛍の里やっぱりここに甘い水>。ちょっと分かりにくいけど、 おいしいことがいっぱいあって、人が大勢あつまる柏のことを「蛍の里」にたとえた句ではないかと思うからです。 じつは、庭野すみれの句も受賞しました。さてどれでしょう?

川柳はただ、「ワハハ」と笑うだけのものと誤解されているふしがあるけれど、決してそうではなく、俳句が花鳥風月などの 自然を詠むのに対して、川柳は人間の喜怒哀楽を詠む奥の深い文芸です。みなさんも素晴らしい川柳に挑戦してみては いかがですか。東葛川柳会では新人大

江畑選者と、将来が楽しみなちびっこ受賞者たち

歓迎だそうです。

さて今年もいよいよ大詰め、あっという間の一年でしたが、なによりこのコラムを愛読してくださったみなさま、心よりありがとう。 来年は少しでも明るいニュースが増えることを祈っています。どうぞよいお年を。





 

受賞式に参列したみなさん

     

「これから2次会よ」と受賞者のみなさん