2007.3.19

<庭野すみれの なんでもウオッチング>
大使をお迎えして華やかに行われた
<スリランカ友好10周年記念展>

(記)庭野すみれ


3月15日、アミュゼ柏に、スリランカ大使ランジット・ウヤンゴダさんをお迎えして、友好10周年記念展が開催され、大勢の来場者が珍しいシタールの演奏やマジックショー、絵本「TSUNAMI」の朗読などを楽しんだ。


創立から20年の柏マジッククラブ(会長・平井光彦さん)は、各種イベント、学校、福祉関係の施設などでマジックショーを行うかたわら、世界マジック大会に出場するなど、海外にも活躍の舞台を広げ、とくにスリランカとは、10年に及ぶ文化交流を結んできた。その架け橋となったのが、一本の弦楽器・シタールだった。
マジッククラブ創設者で顧問の渋谷剛一さんは、もともとビートルズのファンで、メンバーのひとり・ジョージ ハリスンが演奏していたシタールに興味があった。そのシタールを娘さんが旅行先から買ってきたことで、インド古典音楽の第一人者プレーマダーサ・ヘーゴダさんとの交流が始まった。

スリランカ出身で、日本在住歴34年というヘーゴダさんは、日本の音楽大学や自宅で古典音楽の指導をしながら、母国の教育支援をおこなっている。マジッククラブはこれまで4回スリランカを訪れ、大統領主催のチャリティーショーに出演したり、2004年12月、スマトラ沖地震の津波で3万人を超す死者を出した際は、被災者へのさまざまな支援活動を行った。

今回の会場には、スリランカの子ども達に絵本「TSUNAMI」を贈った長繩えい子さんの原画や、芸術分野で協力をした、竹内セイ子さん、大野隆司さん、喜屋武貞夫さん、大野録さんらの作品も展示され、来場者には、おいしい紅茶も振舞われた。
大使は「このような場に呼んでいただいて光栄です。みなさんの努力によって、素晴らしい交流ができ、とてもうれしい。音楽や芸術は、心と身体を強くしてくれます。また、津波のとき、多くの支援をいただいたことをいつも忘れません。参加者の皆さま一人一人に尊敬の念を抱いています」と挨拶。

シタールなど、古典音楽の特徴は、楽譜がなく、すべて即興で、その日の時間帯や温度、湿度などで、千変万化させるというとてもデリケートな演奏方法であること。この日は、ヘーゴダさんと、弟子の奥野恭子さん(打楽器・タブラー)、堤裕美子さん(弦楽器・タンブラ)の共演で、ゆったりしたなんとも不思議な音色を堪能した。

最後のマジックショーは、渋谷さんら5人のマジシャンが、トランプや浪曲奇術など、それぞれ見事な腕を披露、喝采をあびた。その前におこなわれた輪ゴム、ティッシュ、クリップ、ストローなど身近なものを使ってのマジック教室も好評で大いに盛り上がった。
ヘーゴダさんは、音楽を通してアジアの恵まれない子ども達に教育の光を届けたいと、ジェスナ「アジア教育・文化・自然環境保護日本支援センター」の理事長も務めている。(ジェスナ事務局) 03−5242−3788

大使に「初めての柏はどうですか?」と聞いたら、「ビューティフル!きれい、とてもいい」と、日本語で答えてくださった。

これからも、インド洋の光り輝く島・スリランカとの友好が続きますように。