平成21年8月19日
一緒に考える
去る8月19日に、「柏一丁目地区まちづくり推進協議会」が発足しました。「推進協議会」とは、「自分たちのまちがこれからどのようになっていくべきか」を考える、住民が主体の場です。
住民力の高いこの地区だからこそ、行政がやってくれるのをただ待つのではなく、自分たちで考え、動き、提案をし、そして未来を共有していこうという、大変だけどとても大切な場になると思っています。
会の発足にあたって、二番街商店会理事長の石戸さんから「これまでの10年間、柏はイベントなどソフト事業の展開によって、街の魅力を維持してきた。それでも、日を追うごとに駅前の消費は落ち込んできている。これから街が存続していくためには、魅力的なハード整備にも着手していかなければならない。将来を見据えた魅力的なビジョンを描いていきたい。」との想いが伝えられました。会には、地区の内外から約40名の出席があり、この地区への関心の高さもさることながら、ここで生活を営む方々の意識の高さが良くわかりました。
まちの価値
初回の協議会は、「柏駅周辺のエリア価値を高める再開発とは」と題し、都市や地域の再生で活躍されている清水義次さんをお迎えして、お話を伺いました。
地区の現状を、人気の高い「吉祥寺」との比較から紹介し、これからのまちにはハード、ソフトに加えて、「コンテンツづくり」が必要だと教えてくれました。ここでいう「コンテンツ」とは、人材や地域のブランド力、ライフスタイル、地域情報や移動手段のデザイン、過ごしやすい公共空間にいたるまで、「働くこと、住むこと、遊ぶこと」が一体となったまちづくりであって、まちに住んだり利用したりする人の心に働きかける要素のことです。
清水先生は、「コンテンツからまちを変えていく」ことが重要だとして、ライフスタイルやまちの個性を生み出すことが大切なのだと話されました。そうすることで、街の価値がつくりだされ、維持されていくということです。
また、地区の価値を高め、維持するためのアイデアやサービス、資産を検討・運営するものとして、「エリアマーケティングとマネジメント」も重要だということです。地区に対するニーズの把握をもとに、地区のコンセプトを設定しそれに見合った空間、サービスを展開するというものです。そのためには、個々の敷地だけを考えるのではなく、地区にとっての効果が高い開発とすることが、最後には個々のビルの価値を決定するということでした。
これまで、柏一丁目地区は商業利用に特化して成長してきました。それが商業都市柏のイメージをつくり、今の賑わいがあります。その一方で、商業の落ち込みが顕在化しつつある今、地区の周辺には住宅も増え、新しい住民も増えています。これからは、商業集積を維持しつつ、地区が人々の様々な営みの場になるような仕掛けが必要となるようです。
清水先生には、年明けにもまた、話を伺う予定です。
街をデザインしよう
これから、勉強会をとおして街を再確認し、将来の街の在り方を、ソフトとハード、マネジメントといった視点から検討・調整していくために、ベースとなる模型づくりに着手しています。
まちづくりではビルの設えそのものはとても大事ですが、そのビルや通りがつくりだす「公共空間」に気を配ることが必要です。公共空間の良しあしで、人々の流れが変わると言っても過言ではありませんし、ビルの価値も変わってきます。協議会では模型を使って、個々のビルの検討に加えて、公共空間の検討もできるように、やや大きめなものをつくっていきます。(ちょっと大きすぎ?)
模型を囲みながらおもしろいアイデアを議論し、空間としてイメージしていくことができたら楽しいですね。